お茶の声が聴こえるか

冬と猫背

つい、つい猫背になってしまう季節だ。

 

地面に散りばめられた落ち葉の絨毯と宝石のような銀杏を見つめたりだとか、出会いと別れに肩を落としたりだとか。それから、そう、降りかかる冷気に当てられて、まるで猫のように身を丸めてみたりだとか。

冬の何が最も気にくわないって、寒いことでも、乾燥することでもなくって、寒くて強張らせた身体がとてつもなく疲弊すること。寒いのは嫌だけど、それで疲れちゃうのってもっと、損した気分。

 

ところで、霜の下にはもう、あのつくしたちが顔を出している。ニョキッと背筋を伸ばして、今か今かと春を待っている。いや、春の暖かで朗らかで穏やかな陽射しを待ち望んでいる。凍えた部屋から一刻も早く抜け出して、ホッと一息つきたくて仕方がないんだ。