お茶の声が聴こえるか

外野の夜明け

喫煙室ではなにやらエモーショナルな話をしている。

 

「女性はいくつになっても美というものを追究しますよね。もちろん、内から醸し出されるものもあると思います。

 

どんなにいい服でも、品のない女性が着るとダメなんだよね

 

それが、どう。気品のある婦人が着れば、かっこいいんだ。かっこいいんだよな。今はファッションのメインが高校生になってしまった。だから、退屈だよ。つまらない。原宿なんて歩いてごらん、ああ 君はユニクロだね、って」

 

 

それは古い人間たちの昔話に過ぎなかったかもしれない、けれどそこにこそ"粋"というものがあった。今の我々に彼らの意志は息衝いているだろうか。二人の粋なミドルは、現代科学が生み出したハイテクノロジーな消臭剤を3プッシュ、身体に纏わせて喫煙室を後にした。

 

僕はそれに続いた。